2011年1月29日土曜日

経費の支弁(寄附行為の書き方)

(経費の支弁)
第三十一条 この法人の設置する学校の経営に要する費用は、基本財産並びに運用財産中の不動産及び積立金から生ずる果実、授業料収入、入学金収入、検定料収入その他の運用財産をもって支弁する。


この条文は、学校の運営に要する費用の出所をを定めています。学費は当然として、それ以外に、基本財産と運用財産の不動産及び積立基金の果実とありますので、学校法人が持っている不動産の貸付や基金の運用による収入を明記していることになります。学校法人は、その基金を運用して収入とすることを前提にしているということになります。もちろん、ハイリスクの運用は慎むべきですが、ある程度の運用は学校法人の本来の業務とも言えます。

運用財産の果実には、収益事業も含まれます。基金の一部を出資して事業を行うことも果実を得るための手段です。ただし、何をしても良いという訳ではなく、寄附行為には、行っても良い収益事業を列記してあります。この「寄附行為の書き方」では第5条がそれに当たります。

2011年1月21日金曜日

積立金の保管(寄附行為の書き方)

(積立金の保管)
第三十条 基本財産及び運用財産中の積立金は、確実な有価証券を購入し、又は確実な信託銀行に信託し、又は確実な銀行に定期預金とし、若しくは定額郵便貯金として理事長が保管する。

言うまでもなく、基本財産や運用財産は、学校法人の財産の大半をしめる重要な資産です。重要な財産ではありますが、この財産の果実もまた、学校運営にとって必要です。そこで、安全な方法で運用するように規定しているわけですが、昨今の低金利では国債や定期預金で運用していたのでは、ほとんど利息を得ることはできません。そこで、高利回りを求めてリスクの高い運用をする学校法人が、リーマンショックで大きな損失を出したのは記憶に新しいところです。

リスクを取ることを禁止している訳ではありませんので、きっちりした体制で運用するような規定を設けても良いでしょう。しかし、実際問題として、小規模な運用ではコスト倒れになりますので、お薦めはしません。ちなみに、八洲学園では、全額を決済制預金に預けて、一切運用は行っていませんん。

2011年1月7日金曜日

基本財産の処分の制限(寄附行為の書き方)

(基本財産の処分の制限)
第二十九条 基本財産は、これを処分してはならない。ただし、この法人の事業の遂行上やむを得ない理由があるときは、理事会において理事総数の三分の二以上の議決を得て、その一部に限り処分することができる。

基本財産とは、学校を運営するに当たって必要な校地・校舎・教具などで、これを処分できないというは当然の規定とも言えますが、移転や建て替えで古い校地や校舎を処分するということはあり得ます。また、経営難で已む得ず手放すということもあり得ます。もちろん、学校の設置基準を満たさなくなるような処分は出来ませんので、「その一部に限り」という表現がされています。